暮らしの役立ち情報
【セキュリティ】 マンションは狙われています
毎日の報道からも、またマンション管理に携わる私たちの現場の状況からも、治安の悪化を感じざるを得ません。特に、マンションをめぐる犯罪が増加しているのを肌で感じている方も多いと思います。
実際、警視庁の統計によれば、住宅への侵入窃盗のうち共同住宅(3階建以下を含む)の割合が62%と一戸建て住宅の38%より大きな割合となっています。これは、総住宅数の約半数を占めている共同住宅の方が確率的に被害にあいやすいことを示しています。一戸建てに比べて人の出入りが多い共同住宅は犯人にとっても侵入しやすく、類似した仕様でできている玄関ドアや窓も犯行におよびやすい環境といえるでしょう。

また、最近は外国人窃盗団による犯罪も増え、犯行の手口も悪質化、暴力化しています。そして、私たちの考えの及ばない方法で犯罪が起きることが多くなってきました。自分の財産や生命を守るためには、防犯に真剣に取り組むことが第一です。そして、個人個人の防犯対策と同時に、マンション全体で防犯に強い環境を作っていくことも大事になります。
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ここではまず、居住者個々の防犯対策を中心に考えていきます。
防犯対策の基本
犯罪を防ぐには、犯人に「狙われにくい」「侵入しにくい」環境を作ることが大切です。e-暮らし研究所では、防犯対策として次の3つを提案します。そして、この3つがそれぞれ機能していくことで、総合的な防犯環境が整います。
1.一人ひとりが防犯意識を高める
一番目に大切なのが、マンションにお住まいの方一人ひとりが、防犯に対する意識を高め、防犯や犯罪についての正しい知識をもって生活することです。犯罪や侵入の狙い方、手口やその方法、具体的事例についての知識を一人ひとりの方がもって生活していれば、自分の家だけでなく、マンション全体についても隙が無いか、狙われやすくないかなど日常生活の中で気づいたり、注意したりすることができます。
2.不審者を受け入れないコミュニティづくり
二番目に、マンション内のコミュニティを強くすることで、不審者を受け入れにくい雰囲気をつくることです。マンションの居住者同士が必ず挨拶を交わす、そして部外者には必ず声をかける、という習慣があると、犯人は下見段階であきらめると言います。マンション全体が、共同体として意識を高めれば防犯効果も高まります。煩わしいことが嫌でマンションに住んだのにと言わず、隣近所とのお付き合いが防犯対策の一歩だと認識しましょう。
3.防犯に強い環境づくり
三番目には、各住戸、特に専有部分や所有車両等のハード面の防犯対策です。出入口である玄関ドアについては、錠前やドア自体、サムターンだけでなく、ドアスコープを使った侵入犯罪もみうけられます。そして、窓。クレセントは錠ではありませんから別途鍵をとりつける必要があります。その他、ガラスや格子も対策の検討が必要です。また、駐車場の車上荒らし、バイク、自転車なども盗難の対象となります。以上のような、チェックポイントを点検し、防犯機能を改善することで、自分の財産の防犯性能を高めましょう。
最近の犯罪とその対策
犯罪や盗難は、生活のさまざまな場面で遭遇する可能性があります。正確な知識をもって、日常から十分な注意を行うことで、多くの被害が防げるはずです。是非、ここでもう一度、皆様の身の回りの犯罪はどのようなものがあるのか確認しておきましょう。
侵入窃盗
東京都内の侵入窃盗件数は平成17年で2万件弱と、毎年減少傾向にあります。しかし、まだ多くの方々が被害に遭われています。中でもその6割が空き巣によるもので、マンションもその多くを占めているのは、前述のとおりです。
侵入手段としては、ガラス破りが最も多く、無締まり、サムターン回し、ピッキングと続きます。
この対策については、専門性が必要となりますので、別のページで詳しく内容と対策をご提案します。

痴漢・ストーカー
マンションでは、女性や子供を狙ったストーカー被害がみられます。特に、エレベータに一緒に乗り込んで、いたずらをされるケースが散見されます。
こうした犯罪を防ぐには、エレベータに乗るときは、知らない人と二人きりにならないことや、一人で乗っているときに知らない人が乗ってきたらすぐ降りる、などの注意が必要です。
防犯ブザーなどの携帯警報器を持って歩くことも有効ですし、子供への防犯教育を徹底することも大切です。
自動車盗難、車上荒らし
自動車盗難の約3分の1はキーを付けた状態で被害にあっているといいます。(警視庁集計)まず、気をつけたいのは、車から離れるときには、必ずキーを抜いてドアをロックしてください。その他の対策としては、盗難防止装置の設置やイモビライザーも有効でしょう。
車上荒らしもちょっとした注意で防ぐことができます。車上荒らしの半数がドアの施錠が無かったために起きています。キーレスエントリーシステム搭載の車でも、必ずドアロックを手で確認しましょう。そして、もっとも有効なのは車内にバッグ、貴重品、現金などを置いたままにしないことです。特に、車外から金目のものが見えるとターゲットになってしまいます。
自転車・バイク盗難
自転車盗難の約半数は施錠をしない状態での被害となっています。(警視庁集計)自転車から離れる時は、わずかな時間でも必ず鍵を2個以上かけましょう。できればワイヤー錠などで固定物につなげておけば、さらに効果的です。自転車の防犯登録は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」で義務づけられています。万一被害にあった場合にも、発見しやすくなりますので、購入時に登録するようにしましょう。
バイクの盗難は、キーが抜いてあっても起きています。盗難の8割弱はキーなしの状態でした。したがって、バイクの場合、離れる時はキーを抜くことはもちろん、駐輪時のハンドルロックを確実に行うとともに、タイヤ部分にU字ロック、ワイヤーロック、ディスクロックなどの補助ロックを活用しましょう。その他、シャッター付キーシリンダーやイモビアラームなども効果が期待できます。バイクにも警視庁でグッドライダー・防犯登録の制度があります。万一の盗難の際に早期に発見するための制度です。是非登録するようにしましょう。
悪質な訪問販売
マンションを狙った悪質な商法の被害に遭われる方が後を絶ちません。特に新築マンションでは、分譲主や管理会社の紹介であるとか、ガス機器や電気機器の点検に来ました、などとかたって玄関先にあがりこみ、高額な商品を売りつけたりするケースがみられます。レンジフードフィルター、ディスポーザーやガス感知器が多い例ですが、最近ではセキュリティ機器などもあります。
オートロックのマンションの場合、訪問者は必ず集合玄関の外からインターホンで声をかけてから玄関に来ます。直接玄関先でベルを鳴らすのは、それだけで疑う必要があります。また、分譲主、施工会社、管理会社が訪問する際は、通常事前に連絡があるか、書面にて通知があるはずです。そうしたルールを逸脱して訪問してくる会社や業者は、問題があると考えてよいでしょう。
基本的な対処方法としては
- 疑わしい訪問者が来ても、ドアを開けない。
- 止むを得ずドアを開ける場合は、必ずドアチェーンをする。
- しつこいときは、110番か警備会社を呼ぶ。
- 万が一、誤って契約したり、物を購入したりしてしまっても、8日以内であればクーリングオフという制度で解約ができます。消費生活センターなどに相談しましょう。
e-暮らし研究所 所長 暮の助