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マンション管理の役立ち情報

【大規模修繕】 大規模修繕に備える

大規模修繕工事という言葉は、マンションに住むと必ず聞くと思いますが、具体的な内容や進め方がお分かりになる方は少ないのではないでしょうか。
一戸建ての住宅と違い、マンションに住むとどこか壊れたら誰かが直してくれると考えがちですが、そうではありません。所有者全員で直していく必要があるのです。 建物も設備も放っておくとどんどん劣化します。
安全で快適な暮らしをおくるためには、劣化を抑え、定期的に手入れを行うことでマンションの資産価値を維持、向上させることが必要です。
ここでは、修繕工事を行う前にどのようなことを理解しておく必要があるかを確認していきたいと思います。

大規模修繕とは

大規模修繕とは、「計画修繕のうち時間の経過その他により傷んだ外壁や屋上等の建物各部を原状又は実用上支障のない状態までに性能・機能を回復させるための大規模な修繕」をいいます。建物は屋根などの防水材、内外装材、サッシや鋼製建具、手摺などの金物類、給排水管、ガス配管、電気配線などいろいろな部材でできています。
これらの建物を構成する部位、部材は、それぞれ取替えや補修が必要となる適切な時期があります。これらの周期が重なるものをまとめて実施するのが、大規模修繕工事です。一般のマンションの各部位の修繕周期は以下のとおりです、参考にしてください。

1.修繕周期の目安

  • 図「修繕周期の目安」ダウンロードはこちら(PDF:87KB)

修繕工事はなぜ必要なの

1.劣化はこうしてすすむ
マンションは鉄筋コンクリートでできているため強固な建物ですが、年月の経過とともに劣化がすすみます。コンクリートはセメントと砂と砂利に水を加えて練り上げてできたものですから、劣化は避けられません。表面の仕上げが劣化したり、ひび割れができると、雨水の侵入などで徐々に中性化がすすみ、中の鉄筋が錆びて膨張し、それがコンクリートを押し出して破壊します。
また、バルコニーや階段の手すり、機械式駐車場、避難階段などの鉄部が錆びたり、給排水管の管内にできる錆による赤水、屋上防水の劣化による水漏れなど年月の経過とともに建物自体の機能が低下していきます。

2.定期的な修繕は必要?
前述のような、劣化や機能低下を放っておくとどうなるでしょう?コンクリートの劣化による崩落事故が起きたり、ライフラインである給排水・電気設備の故障は生活自体に支障をきたしかねない状況が発生してしまいます。こうした事態は、建物の管理を行うものにとっては絶対に避けたいものです。
これらは、定期的に点検・調査を行い、補修をしていけば避けられます。劣化を放置しておくと、進行が早まり、大掛かりな改修になってしまい費用がかかってしまいますが、計画的に実施すればその分コストも抑えやすくなります。コンクリートのひび割れは小さいうちに埋めておいたり、給排水管の清掃や調査を定期的に実施しておけば、劣化の進行を抑えることができます。
こうしたことから、修繕工事は劣化が進行してから実施するのではなく、定期的に実施していく必要があるのです。

3.住民のコンセンサスづくり
修繕工事は、対象となる部分が共用部分であるため、所有者全員の意思を反映させながら行う必要があります。
修繕が必要だと理解できても、いざ行うとなると費用がかかります。その費用は一戸建ての住宅と違って、大変大きな額になります。
所有者それぞれの修繕に対する考え方や経済環境によっても意見が異なり、そのコンセンサスを得るには、マンションそれぞれの特徴に合わせた合意形成が必要となります。そのためには、日頃からの修繕に対する情報開示と啓蒙活動が大切です。

4.長期修繕計画を確認しよう
マンションでまず確認したいのは、長期修繕計画の有無です。
長期修繕計画とは、修繕工事を計画的に行うために、その資金を積み立てるための目安であり、資金計画の基となるものです。
そして次には、その計画が建物・設備の現状に即したものであるかということです。分譲会社が作成したものであれば、契約時に説明を受けていますが、その内容を再度確認することも必要です。
そして、必要があれば見直しを行ってください。国土交通省の「マンション管理標準指針」でも、概ね5年ごとに見直しを行うことが必要とされています。

  • 図「長期修繕計画サンプル」ダウンロードはこちら(PDF:133KB)

5.修繕積立金の積立金は十分ですか?
さて、長期修繕計画が確認されたら、修繕に必要な資金は積み立てられているのか確認しましょう。
所有者の中には、なぜ修繕にそんなに金がかかるのか?と言われる方もいますが、マンションの方が、一戸建ての住宅に比べてメンテナンスコストはかからないといわれています。
例えば、一般的に木造2階建ての住宅の築後30年間の補修費は約1千万円と言われており、月額では約3万円弱で、一般的マンションの修繕積立金の2倍以上の額となります。マンションの方が外壁や屋根を共有している分、メンテナンスコストが割安になります。
いずれにしても、長期修繕計画で必要とされる資金に対して、ご自分のマンションの修繕積立金が足りているのか足りないのか、足りなければどうやってそれを補うのかの所有者のコンセンサスをとっておくことが大切です。

6.修繕委員会をつくる
いざ、修繕を行うとなると、その年の管理組合の理事会のメンバーの負担は大きなものになります。修繕に対する知識が無い場合はさらに大変です。
また、任期を越えて工事が続くことも多々あります。そうしたことに対応するため、最近では、修繕工事に関する理事会の下部組織として”修繕委員会”をつくり、理事会と協力して修繕工事を進めるという組合も多くなってきました。委員会のメンバーには、建築や修繕または経理の知識などを持った方が参加してもらうと心強いものになります。
なお、修繕委員会の設置には、管理規約に理事会で専門委員会を設置することができる定めが無い場合は、総会の決議が必要になりますので、計画的に準備することが必要です。

それでは、次のコーナーで実際の大規模修繕工事の進め方を専門家の方にアドバイスしてもらいましょう。


e-暮らし研究所 所長 暮の助

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