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マンション管理の役立ち情報

【大規模修繕】 テーマ別改修シリーズ バリアフリー「スロープ、手摺の設置」

大規模修繕に関する顧問研究員

石田 直之(いしだ なおゆき)

長年の経験と技術ノウハウを活かして、リニューアルや大規模修繕のご提案をします。


集合住宅も、入居10年20年を経ると居住者の高齢化の進展に伴い、床の段差や階段の昇降に便宜を図るため、スロープ、手摺等の設置が必要とされ、大規模修繕に合わせて実施する事例も増えています。
マンションのエントランス入り口に階段のあるケース、スロープはあるが勾配が急で車椅子の使用に不便なケース、手摺は付いているが取り付け位置や高さが不適切なケースなど、集合住宅においても高齢化対策としてのバリアフリーについて適切に対応することが求められています。

1.どのような方法で改修ができるの?

エントランスをバリアフリーにする場合、改修するからといって全面使用禁止にするわけにいきません。そのため、通行できる状況を維持しながらの改修となり、出入り口全体の改修するのでなく、部分的なスロープのコンクリート増し打ちによる工法が採用される例が多くなります。
手摺については、独立型としてステンレスパイプ加工(事例1写真参照)、壁付型として後付けブラケットタイプ(規格品)等、出来るだけ工場製作部分を多くして現場での作業を減らし、工事に当たって住民の日常生活の不便を減らす配慮が求められます。

【事例1】 改修前                         改修後



2.どんな材料が使われるの?

スロープの床面については、ノンスリップ磁器タイル、防滑性塩ビ長尺シート等が採用されます。

手摺はステンレス製(加工品)、アルミ製、抗菌剤入半硬質樹脂製(規格品)などがあり、使用部位により選択します。従来は居室の外部ではステンレス、アルミが使用され、樹脂製は居室内部が一般的でした。しかし最近は、笠木の握りの部分の感触の冷たさから金属製が敬遠され、樹脂製が品質改良と共に外部に使用される例も多くなっています。
また、笠木の外径は、握り易さから30~40mmが望ましいでしょう。

3.ここに気をつけて!(基準や法律)

では、エントランスなどをバリアフリーにする場合に、どのような法律上の決まりや行政指導があるのでしょうか。ここにその概要をまとめてみましたので、改修する場合の参考にしてください。また詳しくは、設計事務所や施工会社に確認しておくと良いでしょう。

●バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 建築物移動等円滑化誘導基準、平成18年12月施行)

  1. スロープについて
    • 巾:200mm以上とする(階段と併設する場合)
    • 勾配:1/12以下
    • 両側に手摺を設ける(高さ16cm超の傾斜)
    • 表面は粗面とし、滑りにくい材料で仕上げ
    • 前後の廊下等との色等の差により、その存在を容易に識別できること



●高齢者が居住する住宅の設計に係る指針 (国土交通省告示第1301号)

  1. 手摺について
    • 共用廊下・階段 高さ700mm~900mm(基本は片側、推奨は両側)
    • 同じく転落防止対応の場合 高さ1,100mm以上
  2. アプローチ等
    • 主要な通路および建物出入口が、歩行および車いすでの移動の安全性に配慮した構造
  3. 床の仕上げ
    • アプローチ、建物出入口、階段、傾斜路、共用廊下等の床の仕上げが滑りやつまずきに対する安全性に配慮
  4. 照明設備
    • 屋外アプローチおよび共用部分の照明設備が、安全性に配慮して十分な照度を確保

注)ハートビル法(高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)は、平成15年に施行されましたが、平成18年12月のバリアフリー新法の施行に伴い廃止されています。
現在のバリアフリー新法では、共同住宅等の特定建築物は、廊下・階段・エレベーター等の特定施設の修繕又は模様替えをする場合は、建築物移動等円滑化基準又は条例で付加した制限に適合させるために必要な措置を講ずるよう努力義務が課せられています。

>>国土交通省「バリアフリー・ユニバーサルデザインについて」



4.改修する上で注意することは?

  • スロープについては、既存仕上げ材(タイル等)を撤去して、コンクリート増し打ちにより下地と一体化すること。
  • 手摺については、既存取り付け部位の下地を調査確認のうえ強固に取り付け、ぐらつきの無いように注意する。

5.工期はどれくらいかかるのでしょう?

以下の事例2写真のケースでは、既存部分撤去、コンクリート増し打ち、タイル仕上げ手摺取付けを含め1ヶ月程度の工期を見ておきましょう。(手摺の製作期間は別)

【事例2】 改修前                         改修後



●マンション改良への助成制度をご存知ですか?


東京都では、マンションの居住性能の回復及び管理の適正化を通じ、居住水準の向上や良好な住環境の形成を図ることを目的として、マンションの耐震改修、バリアフリー化、外壁の修繕など、マンションの共用部分を計画的に改良・修繕する管理組合等に対し、利子補給を実施しています。

>>詳しくはコチラ「東京都都市整備局 マンション改良工事助成制度」

融資を受けて改良工事を行なうことを検討している管理組合様は一度検討してみたらいかがでしょう。 。



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