マンション管理の役立ち情報
【デジタル放送】 電波障害エリアでのデジタル化対応は?
もうまもなく終了となるアナログ放送。デジタル放送を受信する方も増えてきており、電波障害対策エリアの方々からの問合せ等に対応できるように、障害施設の維持管理を行なっているマンション管理組合は、デジタル放送に移行するにあたっての方針を決めておく必要があるのではないでしょうか?
今回は、電波障害対策におけるデジタル化対応についてご説明します。
1.電波障害における地上デジタルテレビ放送電波の特徴
・デジタル放送波は、従来のアナログ放送波に比べ、電波障害が大幅に軽減されます。
★影側遮へい障害や 反射によるゴースト障害が軽減します。(誤り訂正機能により、画質劣化が生じない。)
- 電波障害は、周波数が低くなると発生しやすい特性があります。デジタル放送で使用するUHF波は、アナログ放送で使用しているVHF波に比べ周波数が高いため、電波障害が発生しにくくなります。また、デジタル波は、隣接する周波数(チャンネル)に影響を与えない特性を持っているため、電波障害が発生しにくくなります。
- アナログ波では、電波が弱くなるに従い徐々に画像が悪くなりますが、デジタル波では画像劣化が少なく、一定基準以下の弱い電波となった時点で全く映らなくなります。
- デジタルテレビは十分な強さの電波を受信できれば、アナログ放送と比較して高画質の映像をお楽しみむことができます。一方、アナログテレビと大きく異なる性質として、デジタルテレビの場合、地形等の影響や放送電波の送信所からの距離により電波が弱くなる地域では、急激に受信できなくなる性質があります(「クリフエフェクト」と呼ばれています)。
この結果、アナログ放送では見えていたテレビが、デジタル放送では受信できないというケースが発生する場合があります。
2.電波障害エリアでの地上デジタルテレビ放送対応の考え方
地上デジタル放送は、受信障害に強い伝送方式を採用しているため、都市部の受信障害は大幅に改善されると見込まれています。
総務省では、電波障害対策におけるデジタル化対応について、次のように通達しています。
【都市型受信障害対策施設の地上デジタル放送対応に係る考え方(概要)】
- 基本的考え方
- デジタル放送で受信障害が解消された世帯においては、受信障害対策は不要。
- デジタル放送においても受信障害が継続する場合は、高層建築物等の所有者と受信者を当事者とする協議により対応。
- 費用負担
- デジタル放送対応に係る改修費用は、当事者がそれぞれ応分に負担することが妥当。
- 具体的には、受信者はデジタル放送の受信に通常必要とされる経費、所有者は受信者負担分を超える経費をそれぞれ負担。
したがって、今までアナログ放送による電波障害対策の共同受信施設に加入されていても、デジタル放送が受信可能となり、対象建物による電波障害が解消された場合は、原則自費で個別にアンテナを建てるよう奨めています。
また、障害が継続する場合は、引き続き対策施設所有者によって適切な維持管理等の措置が講じられるべきであり、改修方法や費用負担等については、所有者と受信者の協議により対応すべきとしています。
なお、デジタル放送への移行により、障害が解消するかどうかの調査が必要となりますが、移行により受信障害が大幅に解消されると想定されており、「対策施設の維持管理費用の削減が見込まれる所有者がこの調査を主体的に実施することが望ましい。」としています。(総務省通達より)
- 現在の受信設備が地上デジタル放送受信に対応していない場合は、UHFアンテナのほか設備の改修や調整などが必要となります。
- 2011年または全受信住戸がデジタル対応されるまではアナログ放送とデジタル放送の受信が混在するため、両方に対応した受信システムを構築する必要があります。
3.電波障害エリアでのデジタル化対応の進め方(調査・設計・改修の手順)
●現状調査の実施
地上デジタル放送が開始された地域の現施設内において電界強度測定車による測定を行い、地上デジタル放送が個別受信できる範囲と、障害が残る地域を確定します。
(調査結果により)
- 受信可能地域の世帯には、調査結果をもとに個別アンテナでの受信を奨めます。
この場合、全住戸がデジタル対応された時点で対策施設の撤去を実施します。 - 障害が残る地域には、引き続き対策が必要であり、そのための工事実施が必要となります。
〔→システム設計へ〕
●システム設計
- 調査により地上デジタル放送の受信不可能な範囲の確定を行い改善対策の方策を検討します。 ポイントは、アンテナ高や増幅器を使用することにより個別受信可能かの検討を行います。 アンテナによる対策が不可能なエリアは既設の共同受信施設の改修または新設についての検討を行います。(UHFでの共同受信施設は改修工事での対応できる場合が多いと考えられます。)
- 設計のポイントは、受信レベルの確保と周波数特性を考慮した機器の選定ならびに混信妨害を未然に防止するシステムの構築です。
※デジタル・アナログ併用伝送(2011年7月まで)
●新設または改修工事の実施
- 現状調査、システム設計により施設の改修または新たに電波障害対策工事を実施します。
●撤去工事の実施
- 2011年7月のアナログ放送終了後、または、受信可能になった住戸全てのデジタル対応が完了次第、不要となった既設のアナログ放送用共同受信設備の撤去を実施します。
共同受信施設を利用して地上デジタルテレビ放送を受信するには、施設の改修や機器の調整が必要になります。一般的には、現在の設備がUHF帯まで伝送できるかどうかで改修方法が異なります。
具体的な設備の改修方法については、別途調査・設計が必要になります。
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