メニューを飛ばして本文へ



マンション管理の役立ち情報

【マンションの設備】 定期報告制度が変わりました。

平成20年4月1日から、建築基準法第12条に基づき、
定期報告制度が変わりました。

前回のコラムでとり上げた、エレベーター設備などの事故で問題が指摘された定期検査について、国土交通省が早速対策を講じ、定期報告制度が改正されましたので、ご報告します。



●改正趣旨

平成18年6月に発生した東京都内の住宅のエレベーター死亡事故、平成19年4月に発生した六本木複合ビルでのロープストランド破断による発煙事故、平成19年5月に発生した大阪の遊園地コースターでの死亡事故、その他エレベーター各社のロープストランド破断の判明など、建物設備や昇降機などに関する事故が相次ぎ発生しました。これ等は定期検査が適切に行われていなかったことによると指摘されています。


●改正内容

  1. 定期報告の調査・検査の項目、方法、判定基準を法令上明確化
    定期報告の調査・検査の項目、方法、判定基準を①特殊建築物等、②昇降機、③遊戯施設、④建築設備等について、それぞれ定められました。判定基準については、「要是正」、「要重点点検」、「指摘なし」、と明確化されました。


  2. 報告内容の充実
    定期報告を受けた特定行政庁が適切な措置を講じやすくするため、
    • 調査・検査結果表の添付を義務付け
    • 担当する調査・検査資格者や調査・検査を代表する立場を明確化
    • 調査・検査の結果、「要是正」や「要重点点検」と判定された項目に対する、改善策の具体的内容等、前回の調査・検査以前に発生した不具合について報告


●各報告における見直しポイント(主にマンションに関連する点)

1.特殊建築物等

これまで 平成20年4月1日以降
●外装タイル等の劣化・損傷
手の届く範囲を打診、その他を目視で調査し、異常があれば「精密調査を要する」として建築物の所有者等に注意喚起



手の届く範囲を打診、その他を目視で調査し、
異常があれば全面打診等により調査し、
加えて竣工、外壁改修等から10年を経てから最初の調査の際に全面打診等により調査
●吹付けアスベスト等
施工の有無、飛散防止対策の有無・劣化損傷状況を調査



左に加え、吹付けアスベストが施工され、かつ飛散防止対策がされていない場合は、当該アスベストの劣化損傷状況を調査
●建築設備・防火設備
設備の有無及び定期的な点検の実施の有無を調査


左に加え、定期的な点検が実施されていない場合は、作動状況を調査
●添付書類




調査結果の報告の際に、配置図及び各階平面図を添付



2.昇降機

これまで 平成20年4月1日以降
●ブレーキパットの磨耗
目視により検査(不適合の判定基準は磨耗がはなはだしく制動力の維持が困難な場合)


磨耗の程度を測定し検査結果表に測定値を明記(測定値により結果の判定を行なう場合)するとともに、結果の判定基準を明確化
●主索(ロープ)の損傷
目視によりJISの基準を満たしていることを確認(満たしていなければ不適合)


目視により一定の基準(おおむねJISの基準を告示に規定することにより判定基準の法令上の位置づけを明確化)を満たしていることを検査
●添付写真等





検査結果の報告の際に、主索(ロープの最も摩損したもの)、ブレーキパットの状況がわかる写真を添付
過去1年間の故障実績を記載



3.建築設備等

これまで 平成20年4月1日以降
重要項目以外は抽出検査(数回で検査対象全数を一巡するよう留意)
原則として全数検査とし、国土交通大臣が定める項目(換気量測定、排煙風量測定など)は実質的に1/3の抽出も可
●添付書類






検査結果の報告の際に、次のものを添付
●換気設備→換気状況評価表と換気風量側定表
●排煙設備→排煙風量測定記録表
●非常用の照明装置→照度側定表

※ 記載内容については、特定行政庁により、異なる場合があります。



●まとめ

住宅、特にマンションに関する点検の変更点を見た限り、エレベーターを除く設備関連では大きな変更はありません。
しかし、特殊建築物等の調査の見直しでは、10年目以降の最初の検査でタイルを全て打診等により調査するという、内容が盛り込まれており、具体的実行にあたってはまだ整理が必要と思われます。

改正内容は、一昨年の連続した事故の反省を踏まえ、事故を未然に防ぐために効果的な内容に改正されており、安心感は高まっています。
しかし、事故などが起きてしまうと社会的責任を問われる可能性のある所有者や管理者は、今後も報告書のチェックをするなど専門家に任せるだけでなく、自らも確認を行なうなどの対応が必要でしょう。



>>詳しくは、国交省ホームページをご参照ください。「定期報告制度見直しパンフレット」

e-暮らし研究所 所長 暮の助

ページトップへ